2017年8月30日(水) 網膜剥離と診断されてしまう
長男は6月24日に退院をし、その後定期的に受診をしていたがこの日の受診時に手術した右目が網膜剥離を起こしていると診断されてしまった。
術後は気をつけて生活をしていたが、海ではしゃぎ過ぎたのが影響してしまったのだろうか。
長男の右目はまだわずかながら見えているし、将来的に視神経障害の治療が可能となった場合、「網膜剥離のため見えません」とならないためにも網膜剥離の治療もしました。
「網膜剥離」とはよくボクサーがなったりするイメージがあります。
「網膜剥離」というワードはよく聞きますが、どんな症状なのかは全く知らなかったです。
医師から説明を受けて理解出来た内容は
- 網膜剥離は放置しておくと失明の恐れがある。
- 眼の中のゼリー状の物質を抜き、剥離箇所周辺にレーザーを打ち、その後、特殊なオイルかガスを入れる。
- 網膜剥離の症状を実際に確認し、症状が重ければ特殊なオイルを入れて、軽ければガスを入れる。
- ガスの場合は時間が経てば自然に吸収されて無くなるが、特殊なオイルの場合は再度オイルを取り出す手術が必要となる。
- 特殊なオイルを入れた場合も、ガスを入れた場合も網膜の接着効果を高めるためしばらくの期間、常にうつぶせ体勢を保つ必要がある。
詳細な内容は病院からもらった以下の『(検査・治療)説明,同意確認書』になります。
(検査·治療)説明,同意確認書
1.病名
右)網膜剥離
2. 検査·治療
手術を行う
3. 方法等
眼の中には網膜というカメラのフィルムの働きをする部分があり、また眼の中には硝子体という透明なゼリー状の物質および液体が詰まっています。この網膜に穴(=裂孔もしくは円孔)が開いて、そこから眼内の水(=液化硝子体)が網膜の下に入り込んでしまったことで、網膜が剥がれている状態です。これを網膜剥離と言います。
原因は眼の中の硝子体が網膜を牽引(引っ張る)ことによって起こることが多く、この牽引は近視や加齢の変化によって起こりやすくなります。
網膜が剥がれた場所や範囲によって、見える範囲は狭くなったり(=視野欠損)、視力が低下したりします。
網膜剥離を放置すると、剥離している部分が徐々に進行し、最終的には全ての網膜が剥がれてしまい、失明に至ります。そのため、なるべく早いうちに網膜に開いた孔を塞ぎ、剥がれた網膜を元に戻すための手術を行います。
手術方法は2通りあり、年齢や、剥離を起こした場所や範囲によって手術方法を選択します。
術後の視力回復に関しては、「網膜の中心(=黄斑部)まで剥がれているかどうか」、「網膜剥離を発症してからどの程度時間が経っているか」などによります。網膜剥離は治癒しても、視力が元に戻らなかったり、見え方にゆがみが残ることもあります。
【硝子体手術】
網膜を引っ張っている原因である硝子体を除去し、 網膜の下に入った水(液化硝子体)を抜いて、網膜を復位させます。そのままだとまた網膜剥離を起こしてしまうため、網膜刺離の原因となった孔の周囲にレーザーをうり、孔から網膜の下に水が入らないようにします。
また、手術中に網膜の下に入った水を完全に抜ききることは出来ないので、網膜を押さえて剥がれにくくするとともに残った水を出しやすくするために、手術の最後に、眼の中に気体(ガス)もしくはオイルを入れて手術を終了します。ガスやオイルを網膜になるべく接触させるため、術後にうつぶせなどの体位制限が必要になります。
水晶体がある場合(過去に白内障手術をしていない場合)は、これが手術の妨げになると判断した場合や、術後の白内障進行が予想される場合には同時に白内手術を行います。
術後合併症としては感染(まれだが起こると重篤)、眼内出血、眼圧変動などがありますが、適宜対処します。
治らない場合や再発した場合、再手術をしますが、急速に進行するため注意を要します。
局所麻酔に対するアレルギーで、 極めて稀にショックなどの重篤な状態に陥ることがあります。
図にするとこんな感じととなります。↓↓
【網膜剥離】
【うつぶせ体勢の必要性】
翌日入院し、手術をすることになりました。
手術の結果、重症だったので特殊なオイルを入れる事になりました。
術後とにかく下向き・うつぶせ体勢を保つのが辛そうでした。
日中も、寝る時も常に下を向いていないといけないのです。
2017年9月18日(月) 退院するが大変な下向き・うつぶせ生活
19日間の入院生活を終えて退院しました。
退院しても下向き・うつぶせ生活は続きます。
枕もうつぶせ寝用の枕を病院から借りました。
医師から、「なるべく眼に負担を掛けないようにスマホは極力控えるように」言われました。
学校へ行っても下を向きながらの授業となってしまいます。
さすがに黒板を見ないで授業を受けるのは辛いと思い、高校の担任の先生と色々と相談をしました。
一番前の席としてもらい、「黒板をビデオカメラで映し、そのビデオカメラ映像を机の上に置いたタブレットで見る」と提案とお願いをしましたが、ビデオカメラの持ち込みは許可が下りずダメでした。
それならばとタブレットに「潜望鏡」のような物を取付をして使用許可をお願いしました。
なかなかこの「潜望鏡」という商品の名前が出てこなかったです。
「潜望鏡」とはこれです↓
こういった物なら授業中での使用許可が出ました。
ちょうど良い感じにスマホやタブレットのカメラに取付られる「ミニカメラ潜望鏡レンズ」がありました。↓
Amazonで予備も含めて2つ購入して「ミニカメラ潜望鏡レンズ」をタブレットに取り付けて、タブレットの画面を見るという方法でしばらく授業を受ける事になりました。
実際、こんな感じで授業を受けても集中出来ないと思いますが、無いよりはマシだったと思います。
2017年12月中旬 特殊なオイルが眼に入ったまま修学旅行へ行く
長男が行っている高校では修学旅行でハワイに行きます。
私もまだ行った事もないハワイに修学旅行です。
長男はこんな状態なので修学旅行へ行けるのか、医師や学校と色々と相談、調整して何とか修学旅行へ行く事が可能となりました。
特殊なオイルを入れてから時間が経っているので、下向き・うつぶせ生活も修学旅行へ行く少し前から解禁となりました。
しかしハワイに行ってからの行動は制限されてしまいました。
海水浴や、体を動かすようなアトラクションは禁止と制限されました。
そして修学旅行から戻ってきたら数日後には特殊なオイルを抜く手術をする事が決まっていました。
こんな「行動の制限」や、「手術を控えているモヤモヤ」もありましたが長男は「初海外」の「初ハワイ」の修学旅行はパイプラインも見に行ったりしてとても楽しかったようです。
修学旅行に行けて本当に良かったと思います。
2017年12月21日(木) 特殊なオイルを抜くために入院
予定通り眼の中に入っている特殊なオイルを抜くために入院をして手術をしました。
『(検査・治療)説明,同意確認書』は以下の通りとなります。
(検査·治療)説明,同意確認書
1. 病名
右)硝子体混濁
2. 検査治療
手術を行う
3.方法等
前回の手術の時に、網膜を安定させるために眼球の中にシリコンオイルという特殊なオイルを入れてあります。オイルを入れっぱなしにしておくと、眼圧が上昇してきたり、オイルが乳化して混濁してくることがあるため、網膜の状態がある程度落ち着いたと思われた時点でオイルを抜く手術をします。
く手術および予後について>
オイルを抜いた後、眼の中を確認し、必要があれば網膜光凝固術の追加や増殖膜の処理などを追加します。
オイルを抜いてみて、予測よりも網膜の状態が落ち着いていなかった場合は、再度新しいシリコンオイルを入れ直したり、特殊なガスを入れて手術を終わる場合もあります。
オイルを入れた場合は、今回と同じように、 いずれまたオイルを抜く手術を予定します。
ガスを入れた場合は、自然に吸収されるのを待ちます。ガスは完全に吸収されるまで2~3週間程度かかります。ガスで網膜を押さえるために、術後しばらくうつぶせの姿勢を取っていただきます。
く手術の合併症>
術中まれに、網膜裂孔、網膜剥離、出血などが起こる可能性があります。 術後合併症としては、感染症(まれですが失明の可能性)、出血、 網膜剥離、 眼圧低下・上昇にともなう合併症、血管新生緑内障(失明することがあります)などがあります。いずれの場合も適宜対処します。また、薬剤アレルギーで、まれにショックなどの重篤な状態に陥ることがあります。
手術をして眼の状態を確認した結果、まだ網膜剥離の症状があるので、今回はガスを入れて手術を終えました。
なのでオイルの時ほどではないですが、ガスを入れたのでまた網膜の接着効果を高めるためうつぶせ体勢・下向き生活が始まりました。
ガスは2週間程度で自然に吸収されるので下向き生活も2週間程度で終わり、除去する手術も必要なかったです。
入院中に高校の学校の担任から「単位が足りなくなってしまうかもしれない」と告げられました。
3度も入院生活をしていたらそうなってしまいますよね。
足りなさそうな科目を洗い出してもらい、その授業のある時間は病院から外出許可をもらい授業を受けに行くなどして何とか進級することが出来ました。
担任の先生には色々と気遣いをしていただきとても感謝しております。
網膜剥離の手術をしてからは特に見え方は変わったりはしていないようです。
12月27日に退院をして、その後は定期的に受診を受けております。
片目がほぼ見えなくなった長男の今後について
医師からは「若いから快復力に期待したい」と言われましたが、今日現在(2021年10月)も見え方は変わっていないようです。
眼鏡など矯正しても視力に変化はないです。
片目が見えないと、警察官、大型トラックの運転手にはなれない等、色々と制約があるなど説明を受けました。
後から調べて分かりましたが、消防士にもなれないようです。
他にもバイクやジェットコースターなどの、目に風圧を受ける乗り物も避けるように言われました。
怪我をした長男は、今日現在は車の免許も取得しておりサーフィンも普通にやっています。
大学在籍中に消防士になりたいと思ったこともありましたが、目の制限でなれない事を悔やんでいた時期もありました。
たまに「もう片方の目に何かあった場合、両目見えなくなってしまう」と考えてしまうことがあるようで、そうなってしまった場合の恐怖があるようです。
医学が進歩して、ips細胞で視神経の再生などの治療が可能となり長男の右目がまた見える日が来ることを願っています。
長男は、ふとした気の緩みによりサーフボードが眼周辺に当たり、その結果3度の手術、入退院をすることになり、片目がほぼ見えない状態となってしまいました。
皆さんも怪我をしたり、他人に怪我をさせたりしないようにサーフボード扱いには気をつけましょう。
私も以前眉毛の所を4cmほど縫ったことがあります。
気負つけようがないけど、ケガには注意が必要ですね。
KAZUさんコメントありがとうございます。
私自身はまだ大怪我はしたことはないですが、怪我には注意が必要ですね。