2017年6月9日(金)、長男がサーフィン中に片目ほぼ失明となる大怪我を負ってしまいました。
その時の詳細をまとめさせていただきました。
サーファーなら誰にでも起こりえる事故、怪我なので、サーファーの皆さまには本記事を見ていただき今一度気を引き締めてサーフィンを楽しんでもらいたいです。
怪我をした経緯
この日、以前述べた『親の出勤時間が遅く、親に次男,長女の朝の面倒を任せられる』+『波が良い』の条件が整った日となり、出勤前、登校前に長男とサーフィンをしに行きました。
今年になって初の出勤前サーフィンです。
久しぶりの出勤前サーフィンでソワソワします。
海に入れるくらいの明るさになった頃にちょうど海へ着きました。
波はセット胸くらいでブレイクの早いパワーのある波でした。
少しハード気味でしたが、楽しめる波でした。
スーパー朝一でしたので、混雑は全くなかったです。
海に入って20分くらい経った時、長男が突然「パパ目が見えない!」とパニクって私に言ってきました。
自分のサーフボードが自分の目に当たったようです。
早起きをして海に来て、波も良く、まだ入ったばかりでもっと海へ入っていたいところですが、とりあえず海から上がることにしました。
長男に話を聞くと「自分のサーフボードのノーズが目に当たり、右目の見え方が真っ黒となっている」と言います。
詳しく話を聞くと、「波に乗ったあと、水中で水面に向かいながらリーシュコードを手で引っ張ってサーフボードをたぐり寄せていて、水面に上がった瞬間にノーズが目に直撃した」とのことです。
いつものイメージではサーフボードを引き寄せてもテールがこちらを向いているが、今回はノーズがこちらを向いている状態のまま引き寄せてしまったようで、距離感も変わってくるため、水面に上がった瞬間にノーズが目の辺りに直撃してしまったようです。
図にするとこんな感じとなります。
【いつものイメージ】
↓
【今回】
↓
眼球に当たったのではなく、下まぶたの涙袋辺りに当たったと言っています。
この時私は「目の中で出血して、血で視界を塞いでしまっていて見えなくなっている」ような感じだと思い、時間が経って血が止まれば見えるようになると軽く考えていました。
着替えを済ませて海の写真を撮って、すぐに自宅へ戻りました。
この時の写真を撮った時間はまだ6時8分でした。
個人病院行く
まずは私のかかりつけの個人病院の眼科へ行き診てもらう事としました。
海から帰宅したのが7時過ぎで、病院が開くのが9時でしたのでそれまでは学校や職場に事情を説明して休みの連絡を入れたりなどして家で待機をしていました。
長男は強い痛みはないようです。
片目が見えないのがとても不安そうです。
診察開始時間となり個人病院へ行きました。
見え方などの検査をして、すぐに総合病院を紹介されました。
個人病院の先生が総合病院へ連絡を取っていただき、そのままその足で総合病院へ行きました。
総合病院行く
紹介されて行きましたが、他にも診察待ちの患者さんが大勢いるので結構待ちました。
待っている間にこちらの病院でも見え方などの検査を色々とやりました。
看護師さん?看護補助さん?からも「血で視界が悪くなっているだけだと思うよ」と私が思っている事と同じような事を長男は言われたそうです。
そして医師による診察の順番が来ました。
詳しい説明内容は忘れてしまいましたが、検査結果等から
- 視神経にダメージを受けて炎症を起こしてしまっていて視野が欠損してしまっている。
- ステロイドを大量投与して炎症を抑えられる可能性もある。
- 目の中で出血が続いているので、感染症予防のためにも傷口を縫合する必要がある。
等を言い告げられました。
この時点では視野が回復する可能性は「まだ分からない」と医師から言われました。
詳しい内容が以下の『(検査・治療)説明,同意確認書』になります。
「ステロイド大量投与」の説明と「目の中の縫合手術」の2つとなります。
【ステロイド大量投与説明】
1. 病名
右)外傷性視神経症
2. 検査・治療
ステロイドパルス療法を行います
3. 方法等
外傷性視神経症とは、眼をぶつけた時の衝撃によって、ものを見る時に眼から脳へ電気信号を送る導線の働きをしている視神経にダメージが起きている状態です。 今回はその可能性を完全には否定できません。
【 治療方法予後 】ステロイドパルス療法とは、視神経の障害に対し、抗炎症作用をもつステロイドを短期間で大量に投与する治療法です。この治療を行うことによって劇的に視力が回復することもありますが、反対に全く効果がないこともあります。
点滴加療は3日間行い、最大で1週間に1回で合計3回行うことがあります。3日間の点滴終了後、どのくらい治療の効果が出たかによって、再度点滴加療を行うか決めていきます。1回目の点滴が終了してからしらばくステロイドの内服をすることがあります。
【 副作用 】ステロイドの副作用の主なものとしては、以下のものがあります。
①胃腸障害:悪心·食欲不振·腹痛など(ひどい場合は吐血)
②血糖上昇:場合によって内科的な加療が必要になることがあります。脱力感·ロ渇感·脱毛などが起こることがあります。糖尿病のある方は血糖コントロールが一時的に悪化します。
③易感染性:身体の免疫力を下げる働きもあるため、感染症にかかりやすくなります。また、感染症を発症すると重症化しやすくなります。 マスクの着用·手洗い·うがいをこころがけ、人混みへの外出を避けるようにしてください。
④精神症状:抑うつ状態や軽躁状態になったり、食欲が亢進·減退することがあります。また、不眠症になることがあります。
⑤骨粗鬆症:長期に継続する場合、 予防的な内服が必要になる場合があります。
⑥満月様顔貌(ムーンフェイス): 内服の継続で顔が丸くなってくることがあります。
⑦凝固機能異常:小児では、血液夜が固まりやすくなることがあり、予防のために、ステロイド点滴中は血液を固まりにくくする薬を併用することがあります。
また、大量投与時は、非常にまれですが、突然死や心停止などの報告があります。
【目の中の縫合手術】
1. 病名
右)眼球打撲、結膜裂傷
2. 検査·治療
手術を行う
3. 方法等
受傷した際に、上記を起こしています。傷口が実際に開いているのか、傷口の大きさや場所がどこにあるのかを確認するのには、すぐに何かあった時に処置出来る体制のもとで確認する必要がありますが、外傷による傷が予測が困難で、思いがけない合併症を起こすこともあるため、通常、手術室で手術を行います。
傷口をそのままにしておくと、傷口から感染を起こしてしまったり、傷口から眼球内の内容物がどんどん脱出してきて眼球が変形してしまうおそれがあり、眼球外傷の可能性があると判断された時点ですぐに手術を行って、傷口を縫合して塞ぐことが勧められます。
術後に感染症や縫合不全などの合併症を起こすことが無ければ、創部は閉じる可能性が高いです。
今回の手術は、感染予防と眼球の形状を保つために傷口を塞ぐ目的でやるものなので、視力は回復しません。
合併症としては術後眼内炎(緊急手術などで対処しますが場合によっては失明)、縫合不全、駆出性出血(非常にまれだが起こると予後不良)、などがあり、もし発症した場合は、適宜、対処します。
緊急入院・緊急手術となる
そして一端帰宅することも許されず、そのまま長男は入院してステイロイド大量投与を行い、緊急手術を行うことになりました。
手術も混んでいるようで、本日手術予定の人が全て終わったあとの夜に手術をしてもらいました。
全身麻酔か、局部麻酔か選択肢を与えられましたが、長男は局部麻酔で頑張りました。
手術する前に見え方を長男に聞きましたが、右目の視野が急激に狭くなっているようです。
例えると、離れた場所から小さな穴で見ている感じとでもいいますのでしょうか。
術後
手術が無事終わり医師のお話を聞くと、「右目視神経の3/4が切れていて1/4は何とか残っている」と言われました。
術後長男と会い話を聞きましたが、まだ包帯をしているので、包帯を取ってみないと視力が戻っているか分からないようです。
ステロイドパルス療法は全く効果はなかったです。
ステロイド大量投与により気持ち悪さの副作用が強く出て、相当辛かったようです。
数日後、包帯が取れましたが見え方に変化はなかったようです。
6月9日からの16日間の入院生活を終えて6月24日に退院をしました。
今回長男が大怪我をして思ったこと
サーフボードにはノーズガードを付けていましたがこのような怪我をしてしまいました。
今回長男が怪我をして心の底から思いましたが、まさに「当たり所が悪かった」というやつです。
ほんの数センチでもズレていたら打撲程度で済んでいたと思います。
皆さんもサーフィンは気をつけて行いましょう。
頭、顔は特に守ってください。
これが「他人の目を傷つけてしまった」となった場合、もっと大変なことになってしまいます。
この後、さらに2度の眼の手術、入院をすることになってしまいました。
その内容は後日記事を書いていきたいと思っております。